ソレイユを女性同性愛者と断定することは出来ない
(2015/09/14 追記)
本記事の結論について指摘をいただき、内容を変更しました。
それに伴いタイトルを変更しました。
変更前のタイトルは「 「女性同性愛者として描写されるキャラクター」は登場しない」です。
「女性同性愛者として描写されるキャラクター」として挙げられ、6項目の問題点の中で3項目を占めているのが「ソレイユ」という女性キャラクターである。
ソレイユは、ファイアーエムブレムifの暗夜王国バージョン、ならびにDLCである第3のシナリオ(インビジブル・キングダム)でのみ登場させることができる。
彼女は子世代のキャラクターであり、彼女の男親である「ラズワルド」が結婚した場合にのみ登場し、彼が独身の場合は登場しない。
ソレイユが同性愛者であるという情報は公式見解ではない。
というか公式サイトに子世代の情報は一切載ってない。
よってソレイユ=同性愛者とする情報源は、下記の2点のどちらかと推測される。
- ソレイユを同性愛者として扱い、海外で問題になっているとすっぱ抜いた記事
- ゲーム内での描写
1.ソレイユを同性愛者として扱い、海外で問題になっているとすっぱ抜いた記事
2015/07/03ごろにいくつかのニュースサイトやまとめブログで下記のような内容の記事が投稿された。
ただ、この記事の一次資料である海外のサイトを見ると、タイトルが差し替えられており
「バイセクシャルのキャラクター(ソレイユ)が、男性を女性に、女性を男性に見えるようにする薬を飲まされた」
となっている。
さらに読み進めると、最初はニュースサイトの記事のとおりのタイトルであったが、同性愛者ではなくバイセクシャルだったと分かったので、タイトルを差し替えたとの記述がある。
そもそも、海外ではファイアーエムブレムifの発売は来年(2016年)の予定であるため、日本語版のゲームまたはプレイ動画を翻訳してしか情報を入手できず、情報が錯綜してる様子である。
また、海外サイトの記事やtwitterでの反応を受けて、増田でも日本人プレイヤーと思われる人物からの反論が投稿されている。
問題となったイベントシーンの概要説明もしてくれているので、ぜひ読んで欲しい。
よって、日本のニュースサイトを元にソレイユが同性愛者であるとするのは、間違いである可能性が高い。
海外サイトも日本人プレイヤーもソレイユは同性愛者ではなくバイセクシャルだと主張している。
私も実際にプレイしてイベントシーンを確認したところ、少なくとも下記の7点が確認できた。
- 主人公(♂)はソレイユと恋愛関係になるためではなく、彼女の悩みを解決したくて薬を飲ませた。
- 主人公(♂)は本人の了承を得ずに、薬を飲み物に混入して飲ませた。
- 悩みを解決できた場合、ソレイユは好みの女性に近づいても卒倒しなくなり、本人が思うかっこいい女性になれる。
- 薬はセクシャリティを矯正するようなものではなく、一時的に自分以外の人間の性別が逆に見えるだけの物である。
- 薬に、副作用や依存性など、健康を害する効果があるという描写は無い。
- 薬により主人公(♂)が女性に見えたことは、あくまできっかけに過ぎず、薬の効果が切れた後、男性に見える主人公(♂)のことを好きになる。
- 薬が効いている間、他の男性陣も女性に見えていたが、好きになったのは主人公(♂)だけ。
以上より、まず「薬」自体に問題はないと言える。
また、「薬を使用したこと」についても、主人公(♂)にメリットがある訳ではなく、むしろソレイユの女の子好きを後押しするような行為である。
マズイ描写があるとしたら「本人の了承を得ずに、薬を飲み物に混入して飲ませた」部分のみだろう。
(2016/02/20 追記)
議論の際には一次資料に準ずる物が必要だと考え、該当イベントシーンをテキストに書き起こした補足資料をアップしました。
2.ゲーム内での描写
まず、ソレイユを含む子世代のキャラクターはストーリーに絡んでこない。
戦闘に参加することが出来るだけで、ストーリーのイベントシーンに出演することは無い。
よって、彼女のセクシャリティについて、ゲーム内でどんな描写をされているかを確認することが出来るのは、下記の2点のイベントシーンになる。
A. 初登場時のイベント(外伝)
B. 仲間との会話イベント(支援会話)
A. 初登場時のイベント(外伝)
街で自警団をしていたソレイユが、大勢の賊の襲撃を受けてしまいピンチになる。
しかし、父親ラズワルドと共に主人公たちが駆けつけ、賊を撃退する。
街に住む女性にお礼を言われたソレイユが、「あなたって凄く私の好み」「二人きりでお茶でもどうか」と口説き、相手の女性は「私で良ければ」とOKする。
ラズワルドはソレイユを「変わり者」と評価するが、仲間は特に気にしていない。
B. 仲間との会話イベント(支援会話)
ゲームのシステム上、会話イベントは基本的に親世代同士、子世代同士でしか発生しない。例外となるのは、主人公、主人公の子供、子供の両親だけである。
ソレイユと会話イベントが発生するキャラクターの内訳は下記のとおりになる。
なお、仲間が最大数になる第3のシナリオ(インビジブル・キングダム)で集計した。
- 子世代男性キャラクター ・・・ 8人 (暗夜4人+白夜2人+共通2人)
- 子世代女性キャラクター ・・・ 4人 (暗夜2人+白夜1人+共通1人)
- 主人公 ・・・ 1人 (♂と♀で会話内容が大幅に変わる)
- 主人公の子供 ・・・ 1人 (♂のみ発生する)
- 両親 ・・・ 2人
この内訳は特筆すべき点はなく、どの子世代キャラクターもこれぐらい(1人くらい上下する場合あり)の会話イベントが発生するようになっており、ソレイユだけ女性キャラとの会話イベントが多いということはない。
加えて、ソレイユとの会話イベントが発生する女性キャラの中に、同性婚可能な女性キャラ(シャラ)は含まれてない。
また、ソレイユと結婚可能なキャラクターは男性のみ(異性婚)となっている。
よって対象となるのは、子世代男性キャラ、主人公(♂)、主人公の子供(♂)の計10人となる。ただし、主人公(♂)と主人公の子供(♂)は同じセーブデータ上に存在できないので、見た目上は計9人となる。
ソレイユとの異性婚において「薬」が存在したのは、10人中1人で主人公(♂)との会話のみであり、他9人の男性とは問題視されるような会話も無く恋愛関係(=結婚)になる。
「薬」や「薬を使用したこと」自体に問題が無いことは前述のとおりだが
ソレイユを同性愛者とみなすためには、これら9人との異性婚に関しても同様の問題表現が発生しなければいけないはずである。
私は、ソレイユと異性の会話イベントを全て確認しているが、問題となる表現を見つけることは出来なかった、それどころか
ソレイユから子世代男性キャラへの自発的な愛の告白シーンがあった。
参考までに画像をアップするが、決定的なシーンだけを抜き出した状態なので、可能であればゲームをプレイして一次資料に触れるようにして欲しい。
(2016/02/20 追記)
議論の際には一次資料に準ずる物が必要だと考え、該当イベントシーンをテキストに書き起こした補足資料をアップしました。
上述A.およびB.より、ゲーム内のソレイユのセクシャリティについての主な描写として下記の2点が挙げられる。
- かわいい女の子が大好き(※)だが、好みはある
- 男性も恋愛対象になり、自分から積極的にいく場合もある
(2015/09/14 追記 本記事の最下部に詳細を記します)
これらにより、ソレイユはバイセクシャルである可能性が高いある。
ただし、※が「大好きだし愛でたい気持ちはあるが、恋愛関係になりたいわけではない」といった複雑な感情であった場合は、異性愛者である可能性もある。
(2015/09/15 追記)
また、※が恋愛感情はあるが性的行為を望まないという場合、ノンセクシャル(非性愛者)である可能性もある。
ノンセクシャル(非性愛者)に関しては、下記のサイトを参照すると良いと思う。
キャラクターの読み取り方は人それぞれだが、同性愛者とするには根拠が乏しい。
さらに、セクシャリティについて公式見解が出ていない以上、パンセクシャル(全性愛者)であるとか、主人公(♂)を別枠としたノンセクシャル(非性愛者)であるとか、恋愛関係に至った男性のみを別枠とした同性愛者であるなど、様々な読み取り方が可能なキャラクターである。
よってソレイユを同性愛者であると断定することは不適当である。
全てを総合すると
ソレイユはバイセクシャル(あるいは複雑な感情を持った異性愛者)であり、同性愛者ではない。
そのため、署名活動のページに記載されている問題点の3、4、5については、事実誤認が含まれている人により受け取り方が変わってしまう不確定な情報を元にしていると言える。
特に、問題点の5についてはセクシャリティの矯正の事実は無いので、問題点として扱うか再考すべきである。
(2015/08/24 追記)
以下は検証ではなく完全な私見である。
問題のイベントや、ソレイユのキャラクター描写に全く問題が無いとは言わない。
これらに傷つく人が居るという事は、想像しうる。
(飲食物に異物混入はやはりアウトだと思う)
私は「これらの描写に傷ついた人」が「傷ついた!」という旨を、ゲーム制作会社や任天堂に伝えることに、何も反対しない。
むしろ理解したいし応援したい。
ただ、ゲーム未プレイ者や未購入者を巻き込んで行動を起こすのであれば、出来る限り事実誤認を避ける努力をし、事実を前提に話をすべきだと思う。
(2015/09/14 追記)
まずは、「なるべく客観的事実として記述する」としながら本記事の結論に私見が入ってしまっていたことをお詫びします。
公式見解が無いものについては不定値であり、いくら行間を読んでも私見としか為りえません。また、私見とは自己の経験と見識で構成される以上、どうあっても偏りから逃れることはできないのだと感じております。
私に出来ることは、見識を広げる努力をし、情報のアップデートをすることだけですので、指摘あるいは反論がありましたらご連絡ください。
つづいて、本記事を読んだ方からいただいた、ソレイユが恋愛対象として男もOKと発言する画像である。
こちらも決定的なシーンだけを抜き出した状態なので、可能であればゲームをプレイして一次資料に触れるようにして欲しい。
(2016/02/20 追記)
議論の際には一次資料に準ずる物が必要だと考え、該当イベントシーンをテキストに書き起こした補足資料をアップしました。
左のキャラクター(フォレオ)は女装することが好きな男性である。このイベントはソレイユとフォレオが恋愛関係(支援S)に至る際のものであり、この後の会話でフォレオからの告白をソレイユがOKすることになる。
注意:以下は私見です。
ソレイユとフォレオの会話イベントを見ていると、ソレイユは「見た目の華やかさ」を身体の性別より優先していると思われる発言がある。
また、上記のソレイユ側からの告白があった男性(イグニス)に関しては「見た目に拠らないかわいらしさ」を気に入っていると思われる発言がある。
加えて、会話イベントが発生する女性キャラクターに対して、ソレイユは全員を口説きにいかない。
私自身の見識不足から、上述のような性愛もバイセクシャルと呼称すると思っていたがパンセクシャルという概念を教えていただいたので、私見としての結論はソレイユはパンセクシャルであると変えたいと思う。
本記事を読まれた方やゲームプレイをされた方においては、ご自身の結論に基づいて署名に賛同するか否かを判断してほしい。